講談とは

講談(講釈とも)とは、400年以上前から始まった伝統話芸。そのルーツは様々で一つは太平記読み、一つは節談説教。次第に寄席演芸として発展した。張り扇(はりおうぎ)でパンパン釈台(しゃくだい)という文机のようなものを叩いてリズムを取りながら物語を進める一人話芸。その昔は釈台の上に本を置いていたが現在は置かないのが一般的。張り扇を叩くタイミングは、句読点や場面転換を表す時など。落語と違ってオチはないが、クライマックスに向けて、くすぐり(笑いの要素)を取り入れながら緩急をつけ、面白可笑しく勇ましく、時にせつなく情感を込めて読む(講談は語るとは言わない)。落語は登場人物のセリフの演じ分けで物語が進んで行くが、講談はストーリーテラーの立場を崩さず、基本的には地の文(ト書き)で物語を進める。 現在の連続ドラマの元祖であり、一つの物語が完結するのに十話二十話と続くのがもともと。連続物は一日では終わらないので、良いところで「このお話はここからが益々面白くなるのですが、丁度お時間となりました。この続きはまた次回」と噺を切る。この「切れ場」が面白く読めるかどうかが講談師の腕の見せ所の一つ。「切れ場よければ全て良し」と言われるほど。

演目の種類…軍談、武芸物、金襖物、仇討、世話物、政談、白浪物、侠客、怪談、名人奇人伝、新作など

隆盛期は幕末から明治期。講談で流行った演目が歌舞伎や浄瑠璃になることも。現在、東京と大阪を合わせて講談師の数は70名を越えており、一時の衰退の危機は免れた。今や全体の半数を女性が占めており、新しい演目や新作、創作も増えている。主な活動拠点は寄席を中心に、ホール、お座敷など。

神田京子サイン